Act1の物語

物語のはじまり

あなたは罪人です。オリアス島(Oriath)から追放され、船から海に捨てられました。

 

幸運なことに、すぐ西のレイクラスト大陸(Wraeclast)の海岸に打ち上げられました。他の罪人は、ほとんどが死んだようです。

ここからあなたの大奇譚が始まります。

 

ヒロック(Hillock)

不気味なゾンビがうようよする海岸を進んでいくと、ヒロックに出くわします。PoEで初めて出会う、ユニークボスです。

巨人の誕生

ヒロックは、生まれた時からすでに巨大でした。子供から大人になってもその成長は止まらず、その巨人を一目見ようと遠方から人がやってくるほどでした。鍛冶屋で働くこととなり、その体格から天職とも言える活躍をすることができました。

食欲は当然ながら、酒に関しては特に目がありませんでした。酒のコップでずらりとヒロックが囲まれている光景を目にするのは、日常茶飯事でした。

酒場での口論

「気は優しくて力持ち」だった彼に、転機が訪れます。よそからの流れ者が、ヒロックに対してふざけて何か言ったのです。その時大男の虫の居所が、きっと悪かったのでしょう。

ヒロックは酔いに任せて暴れ出しました。最初の一撃で、その男の頭を首からほとんど引き裂きました。すでに即死した男の仲間が止めに入りますが、ヒロックの怒りの矛先が、今度はこの男たちに向きます。床は血の海となり、ずたずたに引き裂かれ、踏みつけられた死体が並びました。

この一件から、ヒロックは変わりました。巨大な刃物を持ち歩くようになり、ほんのささいな事で因縁をつけ、人殺しをするようになったのです。

夜襲

この無法者に対し、とうとう虐げられた者たちが集います。ある真夜中に、ヒロックが寝泊まりしていた鍛冶屋に忍び込みました。すると四人がかりで巨大な剣を、寝ているヒロックの胸に突き刺したのです。そして巨人を外に運び出すと、崖から海にめがけて投げ捨てたのです。

話はこれで終わりのはずでした。

動く死体

それから数か月後のことです。レイクラストの海岸近くから戻った漁師が、血相を変えています。波打ち際で、「ヒロックの亡霊を見た」と言うのです。

巨人は死してさらに体が大きくなったようであり、今まで以上の脅威となってしまいました。ヒロックを排除できる者は誰であれ、大きな報酬をもって迎えられることでしょう。

ヒロックの罪状

街の中に、追放者それぞれについての書簡が貼られています。ヒロックについての情報も書いてありました。

  • 6件の殺人
  • 1件の赤ん坊殺し
  • 2件の検視で明らかになった殺人
  • 12件の恫喝行為
  • 4件の強姦
  • 2件の強姦未遂
  • 1件の強姦による殺人

 

ブルータス(Brutus)

Act1の中盤にさしかかると、独房が並ぶ建物に突入します。

監獄と監獄長

レイクラストには、もはや誰が建てたのかも分からないくらい昔からそびえる、監獄(Prison)があります。過去を振り返ればそれぞれ歴代の最高責任者がいましたが、今となっては一人しか思い出せません。それがブルータスです。

現在のレイクラストの老人が子供のころから、ブルータスは監獄の長だったのです。「言うことを聞かないとブルータスが来るわよ」と、母親は子どもに言い聞かせるのでした。

ブルータスの監視下では、牢屋から脱獄した者は一人としていません。総長の残忍な性格に恐れをなしていたからです。

変身

ある時期から、恐怖の監獄長は暗黒魔術師を呼び込むようになりました。自分の肉体の衰えを、魔術でなんとかしようと必死だったのです。

最初は囚人で実験していましたが、ついには対象を自分へと移しました。ブルータスの絶叫と悲鳴が何日も続きます。それが止むと、彼は巨大な怪物へと変身を遂げたのです。

殺戮と幽閉

魔術師たちが施術の結果を見ようと、ブルータスの周りに集まりました。すると変異体と化した彼は、繋がれた鎖を千切り大暴れしたのです。辺りは血で染まりました。

殺戮はこれだけで終わりませんでした。ブルータスは監獄内をねり歩き、目に入る者全てを殺したのです。

閉じ込められたのは

階下の看守たちが、異変の知らせを聞きつけました。残された手段は一つしかありません。怪物がいる最上階の扉を防いだのです。

ブルータスは自分が閉じ込められたことを知りました。しかしその怪力を持っても、閉じられた扉を破壊することはできないようです。それから時は経ちましたが、今でも彼の怒りは収まっていないようです。

マーベイル(Merveil)

Act1もいよいよ大詰めです。

不思議な歌声の聞こえる洞窟を進むと、マーベイルが待っています。一体彼女は何者なのでしょうか?

二人の若い男女

信じられない程美しく、優雅で、心優しい女性がいました。それがマーベイルです。

剣術に長け、女ったらしで、高名な冒険家がいました。それがダレッソ(Daresso)です。

二人は出会ってすぐ結婚しました。記念として、ダレッソは子供のこぶしくらいもある、大きなルビーのネックレスを贈りました。マーベイルはとても喜びました。結婚式の後も、幸せで満ち溢れた彼女の姿が街にはありました。彼女の首には、いつも自慢の赤い宝石が輝いていました。

異変

しかし突然の事件が起きたのは、あるパーティーでのことです。

ある女性が、マーベイルのネックレスの宝石を撫でようと、ほんのすこし触れたのです。するとマーベイルは金切り声を上げ、女性の顔面に爪を突き立てました。その女性は、片目を失うこととなりました。

夫のダレッソはこの事件に驚きました。しかしこの出来事は、これから起こる事態への序章にしか過ぎなかったのです。

マーベイルは、夜中に通りを目的もなく徘徊するようになりました。彼女が帰ってきた時には、服はヨレヨレで嫌な臭いを漂せていました。

ある夜のことです。夫がベッドで目を覚ますと、裸で寝ていたマーベイルは死んだように冷たく、体は汚いベトベトで覆われ、髪には海藻が巻きついていました。しかし、誰もこの話を信じませんでした。海は街からとても遠く、急な崖を降りなければならなかったからです。

事態の悪化

マーベイルの行動はますます奇妙になり、ネックレスに対して異常な執着心を持つようになりました。そして、かつては男性の目を惹いた美しい女性は、老い老けた別人のように変わりました。

彼女はドレスを捨て、ボロ着をまとうようになり、体全体を隠すようになりました。人々の噂によると、マーベイルの体は不気味に変わってしまったと言います。

それでもダレッソの、妻に対する愛情は変わりませんでした。

マーベイルは妊娠していたのです。

別れ

しかし、ついに男女の絆も終わりを迎える時がきました。

月の無い暗い夜に、妻が深く眠っているのを確認すると、ダレッソは家を出ました。船で街から離れたのです。

朝を迎えましたが、夫の姿がどこにも見当たりません。マーベイルは狂気と化しました。裸足で海に向かって走り出したのです。道路の堅い石を踏みながら急いだので、彼女の足は血を流していました。

何かに憑りつかれたかのように崖を下り、砂浜に降り立つと、ネックレスを握りしめながら叫び出しました。

住民はマーベイルを街へ戻そうとしましたが、無駄でした。近づく者全てに対し、暴力的に振舞ったのです。

残された妻

それからずっと、彼女は海のそばで過ごしました。みすぼらしく、孤独なマーベイルは、腹を空かせると魚を海から取って、生のまま食べていました。

彼女は夫のことが忘れられません。ある夜など膝まで海に浸かり、寄せては返す波の中、海に向かってずっとダレッソの歌をうたうのでした。

出産と娘たち

マーベイルの顔色は悪く、やつれていましたが、妊娠したお腹は大きくなる一方でした。そしてついに、女の子供が生まれました。体はうろこで覆われ、ぬめぬめの、触手の生えた子供でした。

出産と同時に、マーベイルは崖の下の洞窟に引きこもりました。そしてますます、正気を失っていったのです。

どういう仕組みか誰にも分かりませんが、その後マーベイルはさらに娘たちを産みました。

船乗りが洞窟の近くを通ると、彼女達はその明るく甘い声で歌をうたいます。それは「ダレッソが戻りますように」という内容の、悲しい歌なのでした。

パイエティ―(Piety)

今後重要となる、謎の女性との出会いが起こります。

初めての遭遇

監獄の上層(the Upper Prison)に到達すると、何やら書物を研究している女性がいます。追放者(Exile)であるあなたとの予期せぬ出会いに、彼女は驚きます。その女性は、「ブルータスによろしく言っておいてくれ」と言い残すと、どこかに消え去るのでした。

通せんぼ

ブルータス監獄長を倒し道を進めると、またもや彼女と出くわします。パイエティ―は呪法を使い、道を塞いでしまうと、再びどこかにいなくなってしまいました。