【令和元年度】 事例I

令和元年度の事例Iを解き、答案を作りました。中小企業診断士の問題は無料で公開されていますので、こちらからどうぞ。

解答の中で太字になっている部分は、私が加点対象ではないかと判断した箇所です。

中小企業診断士のベテラン講師が作った答案ではなく、単なる受験生の一人が書いたものなので、不十分な部分はご了承下さい。また、記事の最後にコメント欄がありますので、感想・意見などはそちらにお寄せ下さい。

与件文のまとめ

田舎にある、農業機械を作る会社。たばこ産業でもうけていたが、世の中が禁煙の流れになり大ピンチ。謎の新ビジネスを始めてみるが謎すぎて失敗し、古参社員も会社の足を引っ張ってくる始末。会社がやばい。

このままでは本当につぶれてしまうので、社長を息子に入れ替えて超リストラ断行。「俺たちは乾燥技術を極めるから」と社員に言い聞かせ、みんなで頑張って素敵な機械を作った。だけど、・・・使い道が分からない。

しょうがないので、ネットで「何でも乾燥させるので、とりあえず何か送ってください」と告知したところ、これがまさかの大ヒット。色んな人が興味を示して飛びついてきた。コンサルタントの意見を聞いて、これからも頑張るよ。

第一問

問題

(配点20点)
A社長がトップに就任する以前のA社は、苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた。それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由は何か。100字以内で答えよ。

こう考えました

「自社製品のメンテナンスの事業化」とはA社が考えた新事業のようですが、なぜそれを始めたかの理由は、問題文中に書かれていません。「会社が苦境だから、とりあえず何かやらないとやばい」と短絡的に考えてしまったと思われますが、それらしいことは与件文に書いてないので、解答にしないほうがいいでしょう。

なので文中に書いてある、外部環境が脅威であることを100字にしました。

解答

最大の理由は、対象市場に対する調査不足である。たばこ産業は、①喫煙者に対して厳しい目が向けられ、②受動喫煙が社会問題化し、③生産者の後継者不足、等で縮小化が進んだため、付随的サービスの事業化は困難である。

第二問

問題

第2問(配点20点)
A社長を中心とした新経営陣が改革に取り組むことになった高コスト体質の要因 は、古い営業体質にあった。その背景にあるA社の企業風土とは、どのようなものであるか。100字以内で答えよ。

こう考えました

直接的に会社内の雰囲気について述べられている箇所はありません。第一段落と第六段落に会社の概要が書いてあるので、それをまとめてみました。

解答

企業風土は、①本社が地方の農村部にあり、②同族経営で、③地元で長年勤める正規社員がほとんどである、等の特徴により地元密着型家庭的な社風である。これが要因となり、対応サービスが過剰となり、経理体制の全社化も遅れ、高コスト体質となった。

第三問

問題

(配点20点)
A社は、新規事業のアイデアを収集する目的でHPを立ち上げ、試験乾燥のサービスを展開することによって市場開拓に成功した。自社製品やサービスの宣伝効果など HPに期待する目的・機能とは異なる点に焦点を当てたと考えられる。その成功の背景にどのような要因があったか。100字以内で答えよ。

こう考えました

普通の企業のHPは「私たちはこういうことをやっています」ですが、A社のHPは「私たちに教えて下さい」という変わった仕組みです。第九段落の内容と、A社の強みを交えて解答にしました。

解答

成功の要因は、一般からのアイディア公募により潜在顧客を獲得できたからである。A社の、①様々な農作物を乾燥させる機器、②的確に機能するソフトウェア、③効率の良い燃費、等の強みを新規顧客に生かすことができた。

 

第四問

問題

(配点20点)
新経営陣が事業領域を明確にした結果、古い営業体質を引きずっていたA社の営業社員が、新規事業の拡大に積極的に取り組むようになった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。

こう考えました

何を書いたらいいのか分からない問題でした。「事業領域が明確になった」ことと、「営業社員のやる気が上がった」ことの関連性が不明です。

解答

経営面では高コスト体質の見直し前近代的な経理体制の改善、人員面では高齢者を対象とした人員削減が行われた。これらで古い営業体質が改善され、①成果報酬による士気の向上、②組織の若返りによる活性化が実現。

第五問

問題

(配点20点)
A社長は、今回、組織再編を経営コンサルタントの助言を熟考した上で見送ることとした。その最大の理由として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。

こう考えました

上の問題を見て、「経営コンサルタントの意見が見送られた」と誤解して読んでしまいました。その読み間違いに気づくのに大分かかったので、本番だったら0点か白紙の解答になっていたと思います。

解答

機能別組織を変えない理由は、①新体制を実現させた社長のリーダーシップ力の低下を防ぎ、②さまざまな農作物を乾燥させる機器とそのソフトウェアを実現した製造部・開発部の専門性の低下を防ぐ、等である。