令和元年度の事例IIを解き、答案を作りました。中小企業診断士の問題は無料で公開されていますので、こちらからどうぞ。
解答の中で太字になっている部分は、私が加点対象ではないかと判断した箇所です。
中小企業診断士のベテラン講師が作った答案ではなく、単なる受験生の一人が書いたものなので、不十分な部分はご了承下さい。また、記事の最後にコメント欄がありますので、感想・意見などはそちらにお寄せ下さい。
与件文のまとめ
商店街にある、社長と社員の二人で営む小さなネイルサロン。街中からは遠いし、店は小さいけれど、家賃が安かったので決めました。そんな立地だけど、お客さんからは好評です。周りにはお金持ちの住宅があるし、地域でイベントをたくさんやってるし、ビジネスチャンスになるかも。
ネイルで働く二人は美術大学の同級生。別々に就職したけれど、二人とも仕事ぶりは優秀でした。妊娠きっかけで会社を辞めて、子育てしてたけど、暇になったから起業するよ。お金が無いので、投資が少なくて済むネイルサロンに決定。
それから専門学校に通ってネイルの勉強。美大の頃の勘が戻って、すぐに上達しました。
お店を開始。商店街のみんなとは仲良くなれたけど、周りにネイルサロン多すぎ。お客が全然来ません。
暇なので、自分の娘のネイル写真をネットに上げたら「いいね!」がたくさん付いた。一気にお客さんが増えたよ。
固定客もたくさん出来たし、お店は順調。ところが、すぐ近くに低価格ネイルチェーンがやって来るらしい。大ピンチ。せっかく増えたお客が居なくなってしまう。困ったので、コンサルタントに聞いてみよう。
第一問
問題
(配点 20 点)
小型ショッピングモール開業を控えた 2019 年 10 月末時点の B 社の状況について、SWOT 分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ 40 字以内で説明すること。
こう考えました
SWOT分析をしなさいという、直球問題です。文章を一通り読めばそれぞれの特徴が自然に見つかるので、簡単な問題だと思います。
解答
自社の強み(Strength)
①従業者の高い技術力と提案力、②落ち着く雰囲気の店舗、③他店との良好な関係。
自社の弱み(Weakness)
店舗が①商店街の中心から離れている、②建築から年数経過、③空間が細長く狭い。
外部の機会(Opportunity)
立地商店街が、①他地域からも来街があり大規模、②周辺は高級住宅街、③イベントが盛ん。
外部の脅威(Threat)
他店の存在で、商店街の①大手チェーン、②個人サロン、また③モール内の低価格サロン。
第二問
問題
(配点 30 点)
B 社社長は初回来店時に、予約受け付けや確認のために、インスタント・メッセンジャー(インターネットによるメッセージ交換サービス)のアカウント(ユーザー ID)を顧客に尋ねている。インスタント・メッセンジャーでは個別にメッセージを配信できる。
このアカウントを用いて、デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるためには、個別にどのような情報発信を行うべきか。100 字以内で助言せよ。
こう考えました
与えられた条件は①デザイン重視の客、②既存顧客、の二つです。答案を作り終えた後に、②既存顧客について何も触れていないことに気づき、最後に付け足してみました。
解答
発信する情報は、従業員の高い技術力と提案力を生かした①服に合わせたネイルの写真、②季節やイベントに合わせたネイルの写真、である。B社の3種のオプションを交えたこれらの写真を施術3週間後に発信する。
第三問(1)
問題
(配点 50 点)
B 社社長は 2019 年 11 月以降に顧客数が大幅に減少することを予想し、その分を補うために商店街の他業種との協業を模索している。(設問 1 )
B 社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか。理由と併せて 100 字以内で助言せよ。
こう考えました
顧客層の選定については、わざとらしく図1が載せられていますので、これを使えばいいでしょう。表を見ると10代と40代が特徴的なので、50字と50字に分けて2つ書いた方が良さそうです。
次に協業相手ですが、第一段落に具体的にいくつか書かれていますので、この中から選ぶのが自然だと思います。
解答
①美容室と協業し全国比より人口の多い10代の層、②宝飾店と協業し同じく多い40代の層を獲得する。10代には従業員の七五三・卒業式の経験を活かし、40代にはB社の技術力を訴求し、協業店と相互割引やイベントを行う。
第三問(2)
問題
(設問 2 )
協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。価格プロモーション以外の提案について、理由と併せて 100 字以内で助言せよ。
こう考えました
難しい問題でした。
ヒントとなったのは、第六段落中にわざわざ「顧客の大半は従業員と同世代」と記述があることです。これをどうにかできないかと他を探してみると、第二段落中に「結婚式に列席する 30~50 代の女性顧客」を相手に接客していた過去があることが判明します。これを強みと捉え、現在の顧客に活かすことができそうです。
解答
デザインの評価が高いと顧客固定化につながる理由のため、従業員の過去の40代女性顧客に対する高い接客力を生かし、顧客の要望を聞きながら期待以上のデザインを提案する。
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