【令和3年度】中小企業診断士の2次試験

初めての2次試験を受けてきました。簡潔に振り返りたいと思います。

受験をやめたかった

紆余曲折があり、試験日までの1ヶ月は何も勉強しませんでした。唯一勉強したと言えるのが、東京の八重洲で受けたTACのリハーサル模試の一日のみです。それを除けばゼロになります。

なので試験日当日の朝も、とにかく試験に行きたくありませんでした。やりたくないことを5時間もやらなくてはいけない事に対しての、拒絶と嫌悪によるものです。当然に主な理由は勉強不足で、受験したところで意味が無いなと感じたためです。

そんな時に、去年はコロナ禍を鑑みて、自主的な辞退制度があったことを思い出しました。うろ覚えですが、そのような事をどこかで見た気がしたのです。なので今年もそれを使えないかと閃き、使えるなら使ってみようと思い立ちました。

出かける準備のかたわらに、募集要項を読み直してみてみました。今年の受験資格を、そのまま来年に移行させられるかどうかです。入念に調べてみたものの、残念ながら、そのような制度の記載は見つかりませんでした。

また仮にその制度があったとしても、申請の期限は数週間前までになるのが普通だと思います。さすがに試験日当日の申請で、了承されるとは思えません。ただしかし、それだけ行きたくなかったのです。藁にもすがるような思いでの行動でした。

試験が始まるまで

持ち物

蛍光ペン3色、ボールペン6色、シャーペンと消しゴム、20cmの定規などを筆入れに入れました。

また参考書として、ルーズリーフを閉じこんだバインダーファイルを持っていきました。令和2年度から平成16年度までの過去問を、私なりに解いてまとめたものです。

渋谷で迷子

受験票に試験会場の地図が記載されており、渋谷駅の西口から歩いた場所のようでした。

JR山手線で渋谷駅に着き、出口を探して歩いていると「新南口」というのを見つけました。「昔はこんなの無かったよな」と思いつつ、好奇心のままその新南口で降りてみることにしました。新南口にたどり着くまでに非常に歩いたことと、改札口を出た周辺が渋谷に似つかず閑散としていた時点で、何か嫌な予感がしました。

さて改札を出て道路脇の地図で確認してみると、現在地は線路の東側のようでした。ここから線路を越えて西側に渡らないと、目的地に着きません。

ところが、どうやって西口に行ったらいいのかが分からないのです。周囲に陸橋は無いし、連絡通路のようなものも見当たりません。普通の改札口だと思っていたら、身動きが取れなくなってしまいました。フェンスの向こうに何重にも並列する渋谷の線路は、際立って異常な光景に見えました。

今思えば、わずかな入構料はかかるでしょうが、もう一度駅に引き返して改札口の中に入ってしまうのが最善でした。来た道のりを引き返して、ハチ公口あたりで出れば、過ちを最小で抑えられたと思います。

しかしとりあえず動き出そうと考え、線路沿いに南に歩きだし、だいぶ離れた場所に陸橋を見つてからは、焦ってずっと走り出しました。陸橋を駆け上り、線路を渡れたことで満足できたのは一瞬でした。降りた先で目に入った住所を見ると、受験票に書かれた目的地の住所とまるで違うのです。ここから道路をいくつか超えないと辿り着かないことを感じ、まだまだ相当に遠いなと思いました。

「30分前に着くだろう」から「20分前でいいか」に下方修正しつつ、そろそろこの辺りだろうと思いホテルのドアマンの方に道を尋ねると、「まだまだ遠いよ」との返答。土地勘の無い渋谷のせいなのか、好奇心のまま知らない改札で降りたせいなのか、今となっては理由を考えてみたところで意味はありません。ただただ走ることのみ。散々走った後で、結局は渋谷駅に戻ってきました。

そこから道玄坂の会場に入り、ウイルス対策の検温を終えて自分の席に着いたのは、結局試験開始の5分前になりました。

試験開始には間に合ったものの、試験開始直後はペンを持つ手が震えました。緊張のせいではなく、カバンを手に持ったまましばらく必死に走ったせいです。さらにだいぶ汗をかいたせいで、長袖にしみ込んだ自分の肘から手先までの汗が、問題用紙にびっしょりと付いてしまいます。紙に触れるたびに紙がシナシナになって字が書けなくなるので、解答用紙には触れないように気を使いました。

こんな愉快な感じで、数百時間を費やした、私の初めての2次試験は始まりました。

試験が始まってから

試験問題について

息を整えながら始まった事例Iは、簡単に感じ、最後まで滞りなく書き終えました。1ヶ月間何もしなかったくせに不思議ですが、とりあえず全部終わりました。同じく事例IIも、時間内に十分に終わりました。事例IIIは最後の2問で苦戦し、要求された文字数を満たすことが出来ませんでした。

さて最後の事例IVでは、休憩時間の間に勉強しようと思ったのですが、カバンに何も入れてこなかったことに気づきました。事例IVだけは別のノートを作っていたのですが、今朝はすっかりそのことを忘れていました。

経営指標を使う分析問題は必ず出るので、収益性、効率性、安全性のそれぞれの指標は、絶対に覚えておかなくてはなりません。慌てて自分がそれらの指標を書き出せるか試してみましたが、幸運なことになんとか覚えていました。しかし安全性で使う債務比率など、いくつかの指標については計算式に自信が無かったので、使うのを止めることにしました。

そしてその事例IVの結果ですが、事例4科目の中で一番出来ませんでした。単純な算数・数学のような問題で苦戦し、またキャッシュフローを求める問題でも怪しいことになりました。その両問とも設問文があやふやで、一意的ではないなと感じたのも原因です。

コロナ禍とは言うけれど

私に割り振られた受験室は、異常に広い会議室でした。3人掛けの机に2人座りで、前後にも空席はなく、かなりの人数が集められていました。あまりにも気になったので、廊下に置いてあったパンフレットでその会議室を調べてみると、270人収容とのことでした。確認のため、その部屋の最後の受験者番号から最初の番号までを引き算してみると、やはり270人程度になりました。

その会場でまず気になったのが、最前列から最後尾の席まで、一つとして空席の列が設けられていなかったことです。なので隣の通路に移動するためには、室内の一番前か一番後ろまで歩かないといけません。大して経験のない業者に委託したのかは知りませんが、明らかな立案ミスです。しかしそれをおっくうに思ったのか、試験官がたまに無理やり席の後ろを通っていく始末。

まずそもそも、こんな大きな会議室しか用意できなかったのかと疑問です。コロナでなくてもインフルエンザ等が流行る冬場には、こんな大勢の人の中には長居をしたくないものです。

コロナ対策については、それぞれの企業や団体より制限の程度は異なりますが、今回の診断士試験は一番緩い対策となっていました。もはや実際の対策をするというよりは、社会的な体裁を保つための最低水準だけに合わせた感じですかね。

おわりに

我慢して、サボらずに受験してきました。それだけで今回は良しとしましょう。十分です。

詳細な各事例の振り返りや、再現答案の作成をするのが受験者としては良いのでしょうが、乗り気になりません。少し時間を置いてから、また考えます。

 

 

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